料理本の選び方を教えます!
自炊が面倒と感じる人が多いのは、
料理本の原稿がよくないから・・・なんじゃないかな、
と思うときがあります。
私は料理ページの編集も仕事にしていたので
裏話から説明しますと・・・
料理のつくり方(レシピ)も原稿です。
だから、よくない原稿も多いのです。
(↑この写真はイメージです)
たとえば、下の文章は、ある料理本の文章です。
どこがおかしいか、わかりますか!?
チンゲン菜は3~4等分にする。豚肉は3~4cm幅に切って、A(しょうゆ・酒)に漬け込んで10分おいて下味をつける。しょうがは細いせん切りにする。
同じ内容を、私だったらこう書きます。
豚肉は3~4cm幅に切って、Aに漬けて10分おいて下味をつける。チンゲン菜は3~4等分に切り、しょうがはせん切りにする。
上の文章だと、
野菜切って→肉切って→また野菜を切る、という厄介さ。
さらに、肉を先に切って10分浸けている間に、2種類の野菜を切ったほうが時間がムダにならないのに、それを考慮していない・・・。
これじゃあ、料理をする気がなくなります。
どうして、このような変てこな文章になるかというと、
料理研究家は原稿のプロではないので、
・チンゲン菜→3~4等分
・豚肉→3~4cm幅、Aで10分おく
・しょうが→せん切り という程度のメモしか書きません。
料理に慣れているので、この程度のメモで十分なんです。
これを編集者が読みやすい原稿にするのですが、
編集者が料理をあまりしない人の場合だと
(締切に追われていて料理する時間がない編集者が多い・・・)
「読みやすい」だけの観点の文章になり、
実際の料理のしやすさまで考えられた原稿にならないのです。
上の料理本は、私が好きな料理研究家の方の本なのですが、
ほかにも
イカをさばいてから、里芋の皮をむいて、里いもを煮て、
里いもがやわらかくなったらイカを入れる、
という手順があり・・・
イカ、どうするんですか!?
せっかくさばいたのに、放置ですか!? みたいな(笑)
料理本の編集者に責任があります、これは。
読者を混乱させていますから・・・。
以前の職場の私の後輩も、ほぼ料理をしない女子だったので、
基本的な調理の工程がよくわからないために、
その料理ができあがっていく様を想像できないんです。
取材をもとに書いたレシピも、
最初に切った絹さやが、その後の工程に登場しなくなったり、
サカナに衣をつけているはずなのに、
生のまま油に投入するような原稿になっていたり(^^;)
毎回、「おいっ!」って言いながら赤字を入れていました。
そんなわけで、
これから料理本を選ぶときは、
「わ~!おいしそーっ」と写真だけでは選ばずに、
2つ、3つの作り方を読んでみて、
作り方の文章が、自分にしっくりくる本を選んでください。
それが、料理好きになる1つの方法です(^-^)/
きのう、私がろうそくフーッとしているときに
息子がのぞいていました(笑)